事故車の見分け方 具体例
車の事故は、フロントだけとは限りません。
ここではリアの事故車を例にとって、順を追って見分け方の説明していきます。
例によって、車の構造も載せておきます。
車の構造
これからの説明で、骨格についての専門用語が分からなくなったら随時この図で確認してみてください。
@サイドメンバー
Aクロスメンバー
Bインサイドパネル
Cピラー
Dダッシュパネル
Eルーフパネル
Fフロア
Gトランクフロア
Hコアサポート
【車の骨格】
リア事故の例
今までフロントの事故例を説明してきましたが、リアの事故例も載せてみましょう。
今まで学んだことを参考に、どこが事故なのか自分なりに確認していっても面白いと思いますよ。
一見綺麗に見えるリアだが……
何事もなかったかのような綺麗なリアですね。
まずトランクを開けて、トランクフードを止めているボルトを確認します。
上の画像のボルトの部分を見てください
完全にボルトを回した痕跡がありますね。事故かな?ただの鈑金塗装かな?
次にトランクフロアのシートをめくってみます。スペアタイヤのしまってある場所ですね。
ここを見ます。
バックパネルとトランクフロアの接合部分にシールがありますが、そこを確認してください。
シーラーに乱れがあるのが確認できますね。ついでにトランクフロアにしわもあります。
ここは左側のシーラーですが右側のシールも確認してみましょう。
こちらは正常なシールでした。
新車時と同じ状態です。
つまりこれは、バックパネルの左側を修理したのですね(交換ではなく修理)。
これだけでも事故車だと判断できますが、どの程度の事故なのか判断するために、下にもぐり込んでみましょう。
エアロは割れたままでした(笑)。
さらにリアインサイドパネルはひずんでいて、ごまかすためのシーラーがこれでもか!という感じで塗られています。
念のため完全に車体の下にもぐり込んでみましょう。
バックパネルはよれよれだし、リアサイドメンバーにまでひずみが見られました。
これは直し方としてはかなり上手くない方です。
ここでは、分かりやすく説明するために、はっきりと事故の痕跡が現れているものを例にとってみました。
だいたいはもっと綺麗に直してありますよ。
いかがでしたか?
事故車の見分け方と言っても意外に簡単だなと思いましたか?それとも難しいと思いましたか?
慣れてきたら見た瞬間に分かるようになります。
経験が必要ですけれどね。
しかし、今回は分かりやすい例をあげていますが、なかには本当に綺麗に直ってしまっていて、見分けの難しいものもあります。
ですが、中古車販売店が仕入れを行うオートオークション会場では、
すべての中古車について事故歴の有無、事故の部分、事故の程度が明記
されて競りにかけられています。
「自分が使う車なのだから、その情報を知りたい!」というユーザーさんは多いですよね?
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